「中国茶は水出しできないだろうか」「漢方をもっと手軽に取り入れたい」とお悩みではないでしょうか。
実は私もその悩みをずっと持っていました。そこで漢方の1つ菊花茶の水出しにチャレンジしてみました。
その結果、菊花茶の水出し茶には独特の特徴があることが分かりました。
この記事では、菊花茶を水出しした場合の味や風味、抽出時間はどうだったのか、解説しています。
この記事を読めば、菊花茶の水出しコツをしることができます。
菊花は漢方に用いる生薬
菊花茶に用いる菊花は漢方の生薬に一つで、食用菊の頭状花を乾燥させたものをお茶にします。
花のつぼみがまだ完全に開かない状態のもの摘んだものを乾燥させて茶葉にします。
そのため、お湯に入れるとゆっくり花が開きお茶の中に花が咲いたようになります。
花が咲き見た目にも華やかなのでお客さんに出すお茶としてもうってつけです。(茶葉によっては花が開かないものも多くあります。)
菊花茶は茶葉(花)やお茶ともに淡い黄色のお茶になりますので、湯呑は透明のガラス製や白磁のものが似合います。
効能は「涼性」とリラックス効果
菊花茶は東洋医学での漢方としての効能があります。それは「涼」とリラックス効果です。
「涼性」とは東洋医学での五性のうちの1つで体を冷やす作用のことです。
これより強い冷やす作用に「寒性」というものがあります。
「寒性」には鎮静作用がありますが、菊花茶にある「涼性」はそれより緩やかなものです。
菊花茶の具体的な効能は体のほてりを和らげたり、目の充血を改善したりする効果があります。
また、ジャスミン茶のように香りで気分をリラックスさせる効果もあります。
菊花茶を熱湯で淹れると野草の香りと芳醇なクセのある味
菊花茶の水出しする前に、比較のため菊花茶を熱湯で淹れてみました。
香りは野草のように爽やかでハーブティーにとても近いものを感じました。
味は香りほど強くなくまろやかですが、やはり野草のような味、悪く言えば青臭い感じがしてクセがあります。
青臭いのが苦手な人はあまり好きになれない味だと思います。
水出しするメリット・デメリット
水出し茶は放っといてもお茶を抽出できるので、誰でも簡単にお茶を簡単に作ることができます。
特に日中忙しい主婦や共働きされている方にはおすすめしたいお茶の淹れ方です。
夏場では冷たくて美味しいお茶を作るのことができるので重宝します。
また、水出し茶は熱湯で淹れるのに比べて、苦味成分が出にくく、特に緑茶は、まろやか味に仕上がり易いという特徴があります。
一方、お茶成分が出にくいので濃いお茶は作りにくく、特に香りの強いお茶は味が薄く感じやすくなってしまいます。
水出し茶のメリット・デメリットについては、以下の記事でも解説していますので、こちらも御覧ください。

菊花茶水出しはフレーバーウォーターの味わい

実際に菊花茶を水出しして見たところ、香り主体のフレーバーウォーターのようなサッパリとした味わいに仕上がりました。
熱湯で淹れたときと同じで野草の香りが強いですが、味はさほど濃くなく、いうなればレモン水やデトックスウォーターに近い感じで飲みやすいです。
野草的な香りが鼻を抜けてちょっとスーっとする感じです。ゆったり味わうというよりはゴクリと飲んで、鼻を抜ける香りを味わう感じです。
日々の水分補給として菊花茶を取り入れる場合には水出しが合っているようです。
結論しては、菊花茶を水出しすると、夏にふさわしいサッパリとした味わいに仕上がることが分かりました。
味がちょっと薄く香りが強めなので、緑茶などと一緒に水出しするとハーブティーテイストな緑茶が作れるかもしれません。
抽出時間は「長い」 バラバラにすることがおすすめ
水出しではお茶の抽出に時間がかかります。特に菊花茶の場合は味が出るまで時間がかかります。また、菊花茶では長い時間をかけても一定以上は濃く味が出ませんでした。
私は菊花茶を冷蔵庫で丸々1日水出しすることで水出し茶を作っています。
半日では味が薄く、逆に2日以上おいても味がそれ以上濃くならないからです。
なお、菊花をバラバラにして表面積を増やすと、圧倒的に抽出時間を短くでき、また味も良く出すことができます。
この場合は花びらが細かくなって飲みにくくなりますので、細かめのフィルターが入った水出し用ボトルが活躍します。
煮出しを冷やして冷茶のもアリ
ここまで菊花茶を水出しすることを解説してきましたが、ここからは別の菊花茶を冷茶を楽しむ別の方法を解説します。
それは熱湯で煮出したものを冷やして冷茶にする方法、”煮出し冷茶”です。
水出しではサッパリとした味のお茶を楽しむことができますが、煮出しの場合には味をより濃く抽出することができます。
また、煮出し後に冷蔵庫で冷やせば、水出し茶とは違った濃い味の冷茶を楽しむことができます。
煮出し冷茶はお風呂上がりなど、汗をかいた後におすすめです。
煮出すと菊花茶の効能を十分に引き出せる
水出し茶は優しく少しずつ煮出すため、雑味成分が抽出されずスッキリな味に仕上げることができます。
しかし、これは言い換えればお茶の成分を全部出さないで、美味しい部分だけ頂くということです。
もし、菊花茶成分を全部引き出し効能を得たいのであれば、熱湯で煮出すほうが良いのです。
なお、菊花茶の味には独特の癖があり、特に煮出すとクセが強くなります。この場合、緑茶と一緒に煮出すと飲みやすくなります。
まとめ
菊花茶には東洋医学での「涼性」の効果があり、体のほてりを冷ましたり、リラックス効果があります。
その菊花茶を水出しすると、以下の特徴を持つお茶になることが分かりました。
・フレーバーウォーターのような、とてもスッキリとした味わい
・抽出時間は「長い」 1日程度はかかる。
(※菊花をバラバラにすると時間短縮、味を濃くできる)
菊花茶を水出しすると、野草のような香りが鼻を抜けてちょっとスーっとする感じのとてもサッパリとした味に仕上がります。
一方で煮出した菊花茶を冷蔵庫で冷やす、煮出し冷茶もあります。
煮出し場合、味を濃くすることができ、効能成分も多く抽出することが可能です。
菊花茶を日々のドリンクとして取り入れたいなら、水出しをおすすめですし、じっくり味わいたいなら煮出し冷茶もおすすめです。
ご自身に目的にあった菊花茶に楽しみ方を選んでみてください。